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 タニス・リーは子供の頃から大好きな作家です
 これは比較的新しく出された短編集「悪魔の薔薇」。
ここに収録されている中で一番気になったのが「蜃気楼と女呪者」(市田泉訳)
私は物語というよりむしろ背景、このクォン・オシェンという不思議な町に恋しちゃいました。
 辺鄙で隔絶された感があるのに、精神は筋金入りの都会人。派手好き、ゴシップ大好き、怖がりの反面ちゃっかり屋な、愛すべき町の住人たち。トップもいなければ軍隊もない。ときに魔女の家にミサイルを打ち込んだりするけど、これは魔女に被害を受けた金持ちがあくまでも個人的復讐として、自費で購入したものらしく。権威が防衛や正義の名のもとに制裁を加えるというような、硬派ないやらしさがないんです。しなやかでしたたかな(こう言っていいかわからないけど)ある意味女性的な社会で、闇も混沌もとりこんでなんとなく安定しちゃってる感じがおもしろい。
 肝心の物語は、
ある日町に引っ越してきた超絶センスのカラフル魔女。おいしそうな美青年を次々と自分の館に連れ込むことで有名になる。魔女の館から戻ってきた男たちはなぜかみんな腑抜けになっていて、どうやっても元に戻せない。
 後に、男たちにかけられた魔法は単に彼らの自己陶酔を増幅させただけで、いわば自業自得と判明。彼女の館にはりめぐらされた鏡の罠から無事に戻れたのは、あまりにブサイクで自分への関心をはなから欠いていた泥棒だけ。しかしついに、才能豊かな美形でありながら魔法にかからない最強の男が出現する。なぜなら彼は、己の美貌や能力に溺れることなく、あくまでも他者への真摯な興味と慈愛を持ち続けることができるから……
という、ちょっと生々しいお話でもあります。耽美作家と呼ばれ、人か魔かを問わず多くの美男美女を生み出したタニス・リーですが、その一方で、「この人よっぽどナルシストが嫌いなんだな」と思わせる作品がたまにある。それとも、美しさには必然的にナルシズムの問題がつきまとうので、作家としてその問題に取り組まないわけにはいかない、ということなのでしょうか?
 
 さてこの魔女の衣装、本当に素敵で、登場のたびに華麗で独創的な「タイシャ=チュア・コレクション新作」が披露されます。これ全部着てみたーーーい!と思うほどカッコイイ。糊塗された装いの中に徹底的に「素の自分」を隠蔽するため、実は誰が着てもサマになるのでは、という面も。憧れます。
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プロフィール
HN:
アリョーシカ
性別:
女性
趣味:
読書、猫
自己紹介:
果砂璃亜(かさりあ)国という架空の国をテーマにしたお洋服を制作しています。
めざすのはカラフルなゴシック。

好きな監督
ティム・バートン
ジョン・ウォーターズ

好きな音楽
EVANESCENCE
RIHANNA
LADY GAGA

好きな本
SF ホラー
19世紀英国小説とロシア文学
生物学

大学で美術史と油絵を学び
しばらく社会人
それからまた服飾の学校
上の写真は専門学校の時の卒業制作です
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