忍者ブログ
♥ Admin ♥ Write ♥ Res ♥ 
趣味、学んだこと、イベント参加予定など。 WEBショップはこちらです⇒ http://kassalia.com/


 1 |  2 |  3 |  4 |  5 |
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

2fa7adcf.jpga1ee6571.jpg

「エアーズ家の没落」
サラ・ウォーターズ著 
中村有希訳
創元推理文庫






秋にふさわしい没落モノでございます。

邦題そのままの哀愁漂うゴシック小説。
時代はやや新しく、第二次世界大戦後です。

ポーの「アッシャー家の崩壊」はじめ、私も大好きなお屋敷モノなのですが、好きなジャンルだけに「おなじみのパターン?」と、ちょっぴり退屈しそうな気がしなくもなく。

しかし読んでみたら・・・・さすが、巨匠サラ・ウォータズ!
やっぱり何かが違います。
退屈なんてとんでもない。スリリングで、先へ先へと読んでしまいます。

主人公は、ハンドレッズ領事館と呼ばれる歴史ある館。
ここに未亡人のエアーズ夫人と、成人した姉弟が住んでいます。

語り手の「わたし」は、一家の主治医。
館で次々と起こる説明のつかない怪奇現象について懐疑的な立場をとり続け、メイドのベティを疑ってみたり、精神疾患を理由にしたり、なにかと理屈を言いつつ、どんどん深入りしてゆきます。 
しかし自分では「いい人」のつもりの彼だけど、実は登場人物中もっとも恐ろしい男かも・・・

長男ロデリックは、かつて美少年だったが戦争で顔に火傷の傷痕を負い、脚もひきずっていて、そしてもちろんエアーズ家最後の当主。
という最強にゴシックなキャラクター設定にもかかわらず、あまり魅力的には書かれておらず、たいして活躍もせず、入院して早々と退場。最後は華やかに散るでもなく、ただただ悲しい姿に。

娘キャロラインは、最もゴシック小説とほど遠いキャラクター。
可憐でか弱いお嬢様とは一味違います。がっしりしたゴツめの容貌で、外見どおり心身ともに健康優良。
使用人を雇えない経済事情や、障がいをもつ弟を助けて、家事や庭仕事、農場の手伝いもこなしちゃう。
戦時中は海軍婦人部隊にいたという前歴もあり、屋敷で謎の出火が起きたときは率先して事態収拾に奔走したり、ときには自分の意見をぴしりと言ったり。ゴシック小説のヒロインには不向きでも、ハリウッド映画のヒロインの素質なら充分にアリ。
たくましさもある一方、実直で根のやさしい女性。 
そんな彼女を「不器量」のひと言で片付ける周囲の目線の残忍さが、コワさに味つけしております。

いっそキャロラインがもっと不実で臆病だったら、館も家族も見棄て、恋に落とし前もつけず、ビビりまくって逃げ出したはずなのに。

最後、急に目が覚めたようにてきぱきと決断しはじめ、望まない関係に終止符を打ち、「屋敷を手放してアメリカかカナダへ渡る」と宣言する彼女には、心底エールをおくりたくなります。

でもこの不気味な館は、彼女の自立や旅立ちを応援してはくれない。
それとも彼女の決断が遅すぎたのか・・・

そう、これはある種のホラー映画がそうであるように
女の子に甘い夢をくれるのでも励ますのでもなく、むしろ警告の物語。





PR
奇抜なショッキングピンクのスーツ(そしてつけまつ毛もピンク)の
バービー人形みたいなマダムが、力強い声で

「プリムロォ~~ズ・エヴァディーン!!」

と呼ばわる・・・映画「ハンガーゲーム」の予告編。

TVCMの、この声が耳についてしまい、ぜんぜん関係ないときに
「プリムロォ~~ズ・エヴァディーン!!」と頭を駆け巡って困った。
 
そしてとうとう映画観てきちゃいました。
 
子供の頃、シュワちゃん主演で似たような設定の映画を観た気がするんだけど……
 
こちらは賢くて勇敢な18歳の女の子を主役に、12~18歳の少年少女が集うサバイバル。
12の貧民地区から、男子と女子各2名を抽選で選び、計24名を闘わせる。
最後に生き残った一人は勝者としてセレブの仲間入り!
という古代ギリシャ的な行事が行われている、未来都市のお話。
下層階級をビビらせ、反乱を予防するはずだった生贄の儀式が、逆に革命の火種に・・・?

アクション以外、人間ドラマと政治劇の部分も意外に長いです。

そして、シティの富裕層の不思議なファッション、
プレイヤーの少年少女のデモストレーション衣装、
未来の建造物や室内装飾など、華やかな見所もアリ。
メイクもオシャレで、カラーまつ毛大流行。
田舎から連れてこられた地味なヒロインが、
黒人スタイリストの手で別人のように変身しちゃいます。
 

最近読んだ中で一番おもしろかった、
「貧者の宝」M.メーテルリンク著 山崎剛訳 平河出版社

5f23682a.jpg











有名な「青い鳥」のために、なんとなく児童文学作家?のイメージだったメーテルリンク。
でもこの本は、哲学的でスピリチュアルな大人のエッセイ。
深みのある内容だけでなく、文章が美しさが大きな特徴。

何が何でも「昔の作家の方がいい」なんて言うつもりはまったくないのですが・・・
でも近年日米でたくさん出版されているスピリチュアル本に比べたら、
文学的には数段格上だなって、どうしても思ってしまいます。

ちなみに「青い鳥」も、べつに元から子供向けだったわけではなく。
だって、幼い頃に有名な劇団の上演に連れて行かれたけど、
「なんか陰気で説教っぽい話だな~」って、あんまり好きじゃなかったもの。
それもそのはず、ノーベル文学賞作品だったんですよね、あれ。

なので「貧者の宝」も、大人になって読んだからこそよくわかる!
ってやつです。おそらく。

「貧者の」なんてなっているので、ちょっと構えちゃいそうだけど、
べつにそれほど説教がましくはなく。
階級や老若男女に関わらず、すべての人間に価値がある・・・・というスタンスで、
魂について、人生について考察しましょうというお話です。

メーテルリンクがある女性から受け取ったという手紙の一文
「私たちはまだ本当に親しいとはいえません、なぜなら沈黙を共有することができていないから」
には大笑い。わかります、その気持ち。
どうして相手がこんなことを言ってきたのか、何かを断る前置きのような気もするけど、
そこに真理の匂いを感じたメーテルリンクもかなりの思索家。
他の章でも、女性から学ぶ姿勢が強く、好奇心旺盛な人だったようです。
暑いです。
日焼けで赤くなりやすい私ですが、
最近サングラスの意外な効果の高さに気付きました!
下手にUVカット化粧品を厚塗りするより、
サングラス一個買ったほうがよほどお得で効果あるかもしれないです。

ただ、日ごろ眼鏡をする習慣がないので、邪魔なのですよね・・・
本格的なレンズじゃない、600円くらいで買ったプラスチックのUVカット眼鏡を
眼鏡ケースにも入れずそのままバッグに突っ込んで持ち歩いて活用してます。

もっともドレスやクラシカルな装いのときは、
やはり真ん丸いレンズの縁なしサングラスが欲しいところではあるのですが。
(20世紀初頭くらいを舞台にした映画で、貴婦人がつけてるのを観た)。

さて、毎回映画館で観ていたバットマンシリーズの最新作
「ダークナイトライジング」観てまいりました。

32213d97.jpg











 
今回は、私の大好きなキャラクター、キャットウーマン登場です。

気になるのは、アイマスクとくっついた可動式ゴーグル(?)
ゴーグルを頭の上に押し上げると、猫耳のように見える。
取り外したり、アップで見せるシーンはないので
何がどんな作りになっているのか詳細不明。

でも、レンズ部分を自由に上げ下げできるゴーグルって
すごい便利だと思います。
私もサングラスで歩いてて、ちょっと屋内に入ったとき
頭の上に押し上げたりするわけですが
この状態は不安定だし、当然髪型も乱れます。
だから、あんなふうにレンズだけウィーンと、
後頭部に移動できたらいいだろうなーと思うわけです。

残念ながら、あの手の小道具は門外漢で作れないのですが・・・。

ミシェル・ファイファーやハル・ベリーのキャットウーマンもすごく素敵だったけど、
今回はアン・ハサウェイで、また違った個性でした。

なので私は私なりのキャットウーマンを目指すことにします。
にゃ~





にほんブログ村 ハンドメイドブログへ
にほんブログ村
 
653ab4f0.jpg

 映画「スノーホワイト」

ディズニーの白雪姫の定番衣装を踏襲しつつも
かわいらしさやコミカルさを極力そぎ落とされ
ダークファンタジーにふさわしくアレンジされたお洋服でした。

クリステン・スチュワートの白雪姫は
ダークレッドのちょうちんそで(このへんは定番)の中世ヨーロッパ風コルセットドレスに、
アンダーはグレーのブラウス。
全力疾走したり乗馬したりと忙しいので、
ボトムはサイド編み上げレザーパンツ+レザーブーツで機動性アップです。

ブロンドに鋭利な鉄の王冠の「継母」
魔力の増減と連動して、20代~80代まで
めまぐるしく外見年齢を変えるシャーリーズ・セロン魔女。
ドレスも登場のたびに変わる一番の衣装持ち。
着たきり状態の白雪姫にかわって、しっかりファッションショーしてくれます。
布の質感がないメタリックなものや不思議な形は、一部CGなのかも?

水上コテージ村の女性たちは美しいフォークロア系
金の装身具で着飾ったワルでゴージャスな「7人の小人」

「アリス・イン・ワンダーランド」でも衣装デザイン賞を取った
コリーン・アトウッドのデザイン。
やっぱり素敵ー!!


前半ずっとボロボロで、髪を振り乱し目の下にクマをつくった幸薄な白雪姫
毒りんごを食べて

ゲホォッ!!グエエエエッ!!!

と、長々とリアルな苦しみ方をして死んだにもかかわらず
キスなんかであっさり復活。
演技や人物の見せ方のなまなましさと、設定のファンタジーぶりのギャップが奇抜。

さて。魔女はけっこう重要な役なので、
単なるアヤしいオバはんで終わって欲しくないところです。

私の好きなタニス・リーの小説にも白雪姫を題材にしたものがあって、

短編は「血のごとく赤く」室住信子訳 ハヤカワ文庫
これは、白雪姫が愛らしく邪悪なヴァンパイアで、それに立ち向かう継母との攻防
を耽美に描いた逆転物語

長編「鏡の森」環早苗訳 産業編集センター
ここに出てくる魔女は、
元王女で、14歳で母国が敗戦。身内を殺され侵略側の王から暴行を受けて妊娠
ショックのあまり彼を呪う魔女と化す。
怖くなった王が責任とるつもりで形だけ結婚&放置
精神を病んだ状態のまま白雪姫を出産→育児放棄(ちなみに継母ではなく実母)
と、暴力の横行する世界で、トラウマと狂気とともに生きる
孤独な女性として描かれております。

この映画での魔女のルーツも基本はそれに似ていて、貧困、戦争、元夫の裏切りなど。
ただ興味深いことに、幼い彼女を魔女にしたのはテント生活をしていた母親で、
何か怨みがあったらしく復讐してくれと言い残した
(寝台で刺されちゃう白雪姫の父は災難なんだけども、この王様
出会ってわずか1日で再婚を決めており、見た目だけで後妻を選んだ。
この古代世界では本当に鏡の言うとおり美貌=権力で、リーダーの若さ=繁栄
と、シンプルに直結する)



 


にほんブログ村 ハンドメイドブログ 洋服(洋裁)へ
にほんブログ村
 
Copyright(c)  果砂璃亜国mill  All Rights Reserved.
*Material by *MARIA   * Photo by photolibrary   * Template by tsukika

忍者ブログ [PR]
バーコード
プロフィール
HN:
アリョーシカ
性別:
女性
趣味:
読書、猫
自己紹介:
果砂璃亜(かさりあ)国という架空の国をテーマにしたお洋服を制作しています。
めざすのはカラフルなゴシック。

好きな監督
ティム・バートン
ジョン・ウォーターズ

好きな音楽
EVANESCENCE
RIHANNA
LADY GAGA

好きな本
SF ホラー
19世紀英国小説とロシア文学
生物学

大学で美術史と油絵を学び
しばらく社会人
それからまた服飾の学校
上の写真は専門学校の時の卒業制作です
ブログ内検索
最新コメント
[06/06 さくら]
[04/30 アリョーシカ]
[04/30 さくら]
最新トラックバック
フリーエリア
フリーエリア
アクセス解析